外国人特に欧米人からみると、日本人の歯並びは悪いと言われています。
これは、生まれつきの問題ではなく、矯正歯科で歯並びを改善していないことが理由です。
なぜ歯並びの矯正をしないのかというと、日本人は歯を見せて笑うことが下品だと思っていたり、挨拶でキスをする習慣がないなど文化・風習が欧米と違うことが原因と考えられています。
目次
歯並びは見た目の問題だけでなく健康問題にもつながる
ただ、日本の文化・風習にそぐわないからといって、歯並びを改善しなくても良いという話ではありません。
なぜなら、歯並びは見た目の問題だけでなく、健康問題にもつながるからです。
そもそも歯並びの良し悪しというのは、どういうことが基準になるのかというと、上下の歯が噛み合って隙間が出来ない状態を良しとしています。
逆に歯並びが悪ければどういうことになるのかというと、虫歯や歯周病になりやすいです。
なぜなら、歯と歯の間隔が開きすぎると、そこに食べ物が詰まってしまいますし、歯磨きをしても磨き残しがでやすいです。
そうなると、食べかすがいつまでもの歯の隙間に残ってしまい、それを餌として虫歯菌や歯周病菌が繁殖してしまいます。
そういった細菌が口腔内で繁殖していると、食べかすを分解したり新陳代謝をするときに大量の硫黄ガスをつくりだします。
それが口臭の原因です。
そうなれば、周囲の人達にも迷惑を掛けることになります。
歯並びが悪いと正しい位置に歯や舌をもっていくことができない
日常生活での影響を見ていくと、発音がしにくいという問題がでてきます。
なぜなら、発声というのは歯や舌の位置が重要になりますが、歯並びが悪いと正しい位置に歯や舌をもっていくことができません。
加えて息が歯の隙間から漏れ出てしまい、本来意図していない音に変わってしまう可能性があります。
そのため、聞き取りやすい言葉ではなくなります。
そして、歯並びが悪いままで生活をしていくと、食事をするのにも余計な労力が必要になったり、本来力をかけるべきではないところに負荷がかかります。
そのため、顎関節症という顎を動かす筋肉が痛んで口を大きく開けられない病気になってしまいます。
また、顎の筋肉が酷使されることで、周辺の首や肩の筋肉も緊張でかたくなります。
そのため、血流が滞り肩こりや頭痛に悩まされる日々を送ります。
矯正歯科ではどんな矯正治療を行うのか?
こういった問題があるので、歯並びはしっかりと治しておくべきです。
では歯並びを治したいというとき、矯正歯科ではどんな矯正治療を行うのかというと、歯の状態によって変わります。
参考>>小児矯正とは
一般的に歯並びの矯正というとイメージされるのは、歯にブラケットという矯正装置を取り付けていワイヤーを通すワイヤー矯正でしょう。
ワイヤーの引っ張る力を使い、歯の位置を変えていきます。
一度、ブラケットを取り付けたら、調整をすることはあっても基本的に24時間いつでも矯正治療をし続けます。
いささか強引な方法ではありますが、あらゆる歯並びに対応でき、効果も確実といえます。
そのため、ワイヤーの引っ張る力がかなりの痛みをもたらします。
とくにブラケットを取り付けたり、調整を行った直後の痛みは大きいです。
さらにブラケットとワイヤーがあるために歯磨きがしにくく、すきまに食べかすなどが詰まってしまいます。
しっかりとケアをしないと虫歯になる恐れがあるので、気をつけなければいけません。
見た目の悪さ
あと大きな問題なのが見た目の悪さです。
子供の時分にやっていれば周囲の目はそれほど気にならないでしょうが、大人になってから始めるとかなり目立ってしまいます。
接客業のように印象を大事にする仕事では、それがマイナスになることもあります。
そういう人がワイヤー矯正をするときには、ブラケットを裏側に取り付ける裏側矯正(下側矯正)という方法があります。
治療の効果は表側と同じで、舌にブラケットが触れることに慣れたら普段どおりに生活が出来ます。
ただし、費用は裏側矯正のほうが高くなります。
ワイヤー矯正を目立たせない方法
ワイヤー矯正を目立たせない方法としては、金属のブラケットではなく白いセラミックや透明なガラスのような素材を使い、ワイヤーを白くする審美ブラケットというものがあります。
目立たない色合いにすることで、見た目の違和感を減らせます。
こちらも、費用は通常よりも高くなります。
ワイヤー矯正以外の矯正治療では、マウスピース矯正も普及しています。
マウスピース矯正というのは、スポーツで使うようなマウスピースを歯にはめるだけの矯正治療です。
ワイヤーのように引っ張って歯の位置を変えるのではなく、歯の全体に力をかけて位置を変えていきます。
なのでそれほど痛みを感じることはありません。
まとめ
歯の位置が変わってきたら、マウスピースが合わなくなってしまうので、その都度マウスピースを変えて理想的な歯並びへと導いていきます。
マウスピースの交換は、おおよそ1週間から2週間に1度くらいの頻度です。
マウスピースは、食事時や歯磨きをするときは取り外しても大丈夫です。
なおマウスピース矯正では治療ができない症例もありますし、確実に効果があるとは言えないので矯正歯科に相談をしてみて、駄目だったらワイヤー矯正をすることになります。
最終更新日 2025年7月31日 by nieaun